万能ではない!鍛造ピストンのデメリット3選

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エンジン サクシード

疑問

  • 鍛造ピストンは万能ではないの?
  • 鋳造ピストンより鍛造ピストンのほうが全ての点で優れている?
  • 鍛造ピストンにデメリットはあるの?

このような疑問に、愛車遍歴7台、サーキットで耐久レースに出走経験もある筆者がお答えします。

この記事で分かること

  • 熱膨張率が高くピストンクリアランスが必要
  • 暖気運転をしっかり行う必要あり
  • コストが高い
この記事を書いた人
プロサクの日々

ホンダインテグラタイプRやクラウンなど、中古車7台に乗り、改造や事故などで失敗も多数。
大学で自動車部に所属、車の整備、改造、レーシングカートを経験。
社会人になり、ショップのレース車両でエビス東コースのサーキット走行会や、8時間耐久レースにドライバーとして参加。
プロボックス・サクシードは前期型と後期型の両方に乗った経験があり、乗車歴は通算して11年目。
現在は2015年式・グレードTX・1500cc・FF・CVTの後期型サクシード(プロボックス)を仕事とプライベートの両方で乗り、年間走行距離は約18000キロ。
セカンドカーは2013年式・660cc・FF・CVTのLA100Sダイハツムーヴカスタム。
コインパーキングについても詳しく、ガジェットやグルメに関する記事も発信中です。

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熱膨張率が高くピストンクリアランスが必要

鍛造ピストンは素材の特性上熱膨張率が高く、冷間時のピストンクリアランスを広めにとる必要があります。

鍛造は素材の密度が高いことから、熱膨張率が大きく、暖機後に最適なクリアランスになるように、冷間時のピストンクリアランスを広めにとる必要があります。

鍛造ピストンの製造方法は、金属の塊を高温・高圧でプレスすることで成形し、出来上がる製品は分子の密度が高い高強度のものになります。

金属の密度が高いということは、熱膨張は金属の分子単位で起こるので、ピストンの熱膨張率が高いということになります。

冷間時においては、熱膨張することを加味してピストンクリアランスを設定する必要があり、クリアランスを広めにする必要性が出てきます。

エンジンのピストンは、冷えている時と暖まっている時の温度差が大きい部品で、暖機後の温まった状態で最高のパフォーマンスが発揮出来るように設計されていることが多いです。

スポーツカーや高性能車のエンジンに鍛造ピストンが採用される事が多いのは、レースの世界では暖機運転という概念があまり無く、冷間時の鍛造ピストンのデメリットは目立ちにくくなるためです。

暖気運転をしっかり行う必要あり

鍛造ピストンの性能をフルに発揮するためには、暖機運転をしっかり行う必要があります。

鍛造ピストンが採用されているエンジンは、冷えている時のピストンとシリンダーのクリアランスが広めに取られているためです。

ピストンクリアランスが広いということは、ピストンとシリンダーの隙間から圧縮抜けやオイル抜けが起こりやすく、ピストンの首振りも起こりやすいなど、本来の性能を発揮出来ない状態と言えます。

この状態のままで、全開走行などハードな使い方をすると、本来の性能を発揮出来ないのはもちろん、エンジンに深刻なダメージを与えてしまう可能性もあります。

レース専用の車両ではなく、普段の街乗りもする車であれば、暖気する前の冷間時のエンジン性能も大事になってくるので、このような使い方では鍛造ピストンのデメリットが目立ちやすくなってきます。

鍛造ピストンは、暖気後にピストンが膨張し適正なクリアランスとなるので、暖気運転をしっかり行わないと本来の性能を100%発揮出来ない傾向があります。

コストが高い

鍛造により造られた部品は一般的に、鋳造で造られた部品よりもコストが高いと言われています。

鍛造のコストが高い理由は、金属を高圧でプレスする際の金型や、原料である丸棒(金属の塊)のコストが高く、さらに削り出しを行う場合は原料のロスが多くなることなど、様々な要因があります。

製造コストの高さは、製品の販売価格に直接影響してくる要素なので、鍛造ピストンの価格が高くなりがちなのも納得できます。

鍛造ピストンが、一部のスポーツカーや高性能車にしか採用されないのは、コストが高いといった面も影響度が高そうです。

最近では鍛造の加工技術が進化し、鋳造と比べても比較的ローコストで鍛造製品を製造出来るようになってきており、例えばヤマハのスクーターなどにも純正で鍛造ピストンが採用されているようです。

鍛造は一般的に、鋳造よりもコストが高いというイメージが世の中に浸透していることもあって、鍛造のブランドイメージを守るために、製品価格が高く推移している面もあるのかもしれません。