盲点!社外エアクリーナーのデメリット6選

プロフィール
purosaku24

コンパクトカー・スポーツカー・大排気量セダン・商用車など、今まで7台の車に乗ってきました。
車を改造し過ぎてすぐに壊したり、調子に乗って事故を起こしたりと、失敗もたくさんしてきました。
大学では自動車部に所属、車の整備・改造はもちろん、レーシングカートをしたり、峠やドリフトなどストリートに参加したりしていました。
現在、商用車のトヨタサクシードに乗っています。
過去にはプロショップのレース車で、サーキット走行会や耐久レースにドライバーとして参加するなど、経験を積んできました。
このような経験や知識を活かして、少しでも皆様のお役に立つ情報を発信していきたいと考えています。

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  • 社外エアクリーナーに交換するとパワーが出て車が速くなる?
  • 社外エアクリーナーにデメリットは無い?
  • 純正エアクリーナーのほうが優れている点はあるの?

このような疑問にお答えします。

この記事の内容

  • 実用回転数の充填効率が落ちる
  • 吸気抵抗低下=濾過性能低下
  • 特にむき出し毒キノコエアクリーナが✕
  • ターボ車は比較的影響が少ない
  • パワーバンドが高回転にシフトする
  • フッティングが悪いケースがある

私は学生時代の自動車部、社会人になってからのレース活動で車に関する情報を蓄積してきました。

また、サクシードを仕事とプライベートで使用しており、月平均1800キロ、年間2万キロ弱走ります。

実走で得られた情報や実績を当ブログで発信しています。

今回は、社外エアクリーナーのデメリット6選、についてご紹介しようと思います。

実用回転数の充填効率が落ちる

社外のエアクリーナーに交換することで、実用回転数の充填効率が落ちる可能性があります。

空気には質量があり、吸気慣性が働くからです。

例えば、風が吹くと分かる、風を感じる、これらは空気に質量があるからです。

質量があるものには慣性(動いているものは動き続けようとする力)が働きます。

純正エアクリーナーはその点を考慮し、一般的な走行で最もよく使う回転数で、シリンダー内への充填効率が最大となるように設計されています。

エアクリーナーを純正以外のものに交換するということは、そのバランスを崩すことになり、実用回転数の充填効率が落ちる可能性があります。

吸気抵抗低下=濾過性能低下

吸気抵抗が低いということは、原則として濾過性能を犠牲にしていることが多いです。

吸気抵抗と濾過性能は、基本的にはトレードオフの関係だからです。

社外エアクリーナーは吸気抵抗の低減を謳っているものが多く、低抵抗=パワーアップという図式で宣伝されている物が多いです。

確かに、吸気抵抗が減れば充填効率が上がりポンピングロスも減るので、エンジンのパワーは上がると思います。

吸気抵抗というのは、例えば人が口に付けるマスクで考えると分かりやすいかもしれません。

微細な埃やウイルスも寄せ付けない濾過性能の高いマスクと、そこまで濾過性能が無いマスク、どちらが呼吸しやすいでしょうか?

エアクリーナーの濾過性能が低いということは、エンジン内に砂や塵などのゴミが入りやすいということを意味します。

エンジン内に砂や塵が入ると、シリンダーやピストンに傷を付ける原因になり、確実にエンジンの寿命は短くなります。

レース用の車など、頻繁にエンジンをオーバーホールする前提なら良いのですが、公道を走る車にはデメリットが発生する可能性があります。

社外エアクリーナーは吸気抵抗が低い代わりに濾過性能を犠牲にしていることも多く、注意が必要です。

特にむき出し毒キノコエアクリーナが✕

社外エアクリーナーには純正交換タイプとむき出しタイプがありますが、特にむき出しタイプには注意が必要です。

むき出しエアクリーナーは、別名「毒キノコ」と呼ばれることもあるように、製品の選択や取り付け方法、車の仕様を間違えると、多くのデメリットが発生する可能性があります。

むき出しエアクリーナーは、その名の通りエンジンルームでむき出しなので、きちんと遮熱対策をしていないとエンジンルーム内の熱気を吸うことがあります。

吸気は熱い空気より冷えた空気のほうがパワーが出るのが原則です。

これは、ターボ車に吸気を冷やすインタークーラーが、車種によっては純正でも付いているケースがあることを思えば、吸気温度の重要性が分かると思います。

一方、純正のエアクリーナーボックスやその配管は、熱の影響の少ない樹脂製であることがほとんどで、熱の影響が少ないフェンダー裏やヘッドライト裏などから空気を吸えるようになっており、冷えた空気を吸えるような様々な工夫が施されています。

また、純正のエアクリーナーボックスやその配管は、吸気慣性を最大限活用出来るように配管の太さや長さが設計されており、それらを全ての取り去って取り付けるむき出しエアクリーナーは、吸気慣性の面でも不利になりやすいです。

社外エアクリーナーには純正交換タイプとむき出しタイプがありますが、特にむき出しタイプには注意が必要です。

ターボ車は比較的影響が少ない

ターボ車に社外エアクリーナーを取り付ける場合は、NA車と比べてその影響が比較的小さいと言えます。

ターボ車の場合は、吸気慣性や脈動の問題以前に、過給機で機械的に加圧して充填効率を高めていますので、エアクリーナーを社外品に交換してもデメリットは出にくい傾向があるからです。

ターボ(過給機)の付いていないNA車(ノーマルアスピレーション車)の場合は、吸気慣性や脈動を利用して充填効率を高めていますので、エアクリーナーの影響がモロに大きく出ます。

ただ、ターボ車でもブーストが掛かるまでの領域はNAと同じなので、極低回転域の特性を考えるならデメリットがあるとも言えます。

ターボ車に社外エアクリーナーを取り付ける場合は、NA車と比べてその影響が比較的小さいと言えます。

パワーバンドが高回転にシフトする

社外エアクリーナーに交換することで、パワーバンドが高回転にシフトする可能性が高いです。

低回転域の充填効率よりも、高回転域の充填効率のほうが良くなるためです。

確かに、社外エアクリーナーを取り付けることによってパワーが上がることはありますが、それは高回転域でのパワーが上がるというケースがほとんどです。

サーキットなどエンジンの回転数が高いまま走り続ける場合は良いですが、一般道を走る場合は高回転域のパワーを使うシーンも少ないと思います。

社外エアクリーナーでパワーアップするというのは完全に嘘ではありませんが、それで一般道を走って車が速くなるかどうかはまた別の問題と言えそうです。

社外エアクリーナーに交換することで、パワーバンドが高回転にシフトする可能性が高いです。

フッティングが悪いケースがある

粗悪な社外エアクリーナーでは、フッティングそのものが悪い場合さえあります。

精度や素材が悪くて僅かでも隙間が出来てしまうと、そこから二次エアを吸ってしまいエンジンの調子を崩す可能性さえあります。

特に純正交換タイプのエアクリーナーで、フィルターと純正エアクリーナーボックスとの相性が悪くて隙間が出来てしまうことがあります。

純正のエアクリーナーであれば、もちろんこのような現象は発生しません。

社外エアクリーナーを選ぶ際は、無名メーカーの物ではなく、しっかりとしたメーカーの物を選ばないと、パワーアップどころかパワーダウンする可能性すらあります。

粗悪な社外エアクリーナーでは、フッティングそのものが悪い場合さえあります。