このような疑問に、コーヒーのハンドドリップ歴13年以上の筆者がお答えします。
お湯とペーパーフィルターの準備

ハリオの道具を使ったペーパードリップの手順として、まず初めにケトルでお湯を沸かし、ドリッパーにペーパーフィルターをセットします。
お湯を沸かすのにある程度時間がかかるので、その間にドリッパーやペーパーフィルターの準備を行う訳です。
お湯は少し多めに沸かし、大体飲む量の2倍~2.5倍くらいの量のお湯を沸かすと良いと思います。
お湯は、飲むだけではなく各種道具を温めるのにも使用するため、多くの量が必要になります。
道具を温める理由は、コーヒーが急激な温度差に晒されると、香りが飛んでしまいやすいからです。
ペーパーフィルターは、繋ぎ目の箇所を折り曲げて、ドリッパーにぴったり密着するような形でセットしておきます。
コーヒー豆をミルで挽く



次の工程は、コーヒー豆をミルで挽いて粉状にします。
飲む直前にミルで挽くと、香りが残ってコーヒーが美味しくなります。
挽き加減は、グラニュー糖よりも少し粗い程度がおすすめです。
電動のミルもあり、短時間で楽に豆を挽けるので便利ですが、プロペラ刃の電動ミルの場合は微粉が出やすく、苦味や雑味の原因になるのであまりおすすめできません。
手動でハンドルを回すタイプのミルは、それなりに腕力と握力がいるので、出来れば両手に持ってハンドルを回せるタイプのほうが、力が効率的に伝わりおすすめです。
お湯で道具を温める



コーヒー豆が挽き終わったら、沸かしておいたお湯で各種道具を温めます。
道具を全体的に温めておくことで、抽出時の温度変化を小さくし、コーヒーの香りを飛ばさないようにする効果があります。
ペーパーフィルターをセットしたドリッパーをサーバーの上に乗せて、ペーパーフィルターにお湯をまんべんなくかけます。
この作業は、別名リンスとも呼ばれ、ペーパーフィルター特有の紙臭さを取り除くという意味があります。
ペーパーフィルターに流したお湯は、ドリッパーからサーバーへと下へ落ちていき、結果として道具全体を温めることが出来ます。
飲む量と同じくらいのお湯がサーバーへ落ちたら、そのお湯をカップに注いでカップを温めておきます。
豆を蒸らす



温めたペーパーフィルターに挽いた豆を入れ、お湯と馴染ませることで蒸らしの工程を行います。
蒸らしの工程を行うことで、挽いた豆から炭酸ガスが抜け、表面が多孔質になるのでコーヒーの成分が抽出しやすくなるという効果があります。
温めたペーパーフィルターに挽いたコーヒー粉を入れたら、ドリッパーの端を少し叩き、コーヒーの粉を平らにならします。
ドリッパーをサーバーの上に乗せ、挽いた豆の中心にそっとお湯を注いでいきます。
豆全体にお湯が行き渡ったら、お湯を注ぐのをやめてしばらくの間蒸らしを行います。
蒸らし中は豆から炭酸ガスが放出され、豆全体が膨らんできます。
新鮮な豆ほど炭酸ガスを多く含んでいるので、蒸らし中の膨らみが大きくなります。
しばらく待ち、豆の表面にカニ穴のような穴がプツプツと開いてきたら蒸らしは完了です。
抽出



豆の蒸らし工程が終わったら、いよいよお湯を注いでコーヒーを抽出していきます。
蒸らした豆は抽出に適した状態になっているので、このタイミングで抽出していきます。
中心から500円玉ほどの大きさで、円を描くようにゆっくりとお湯を注いでいきます。
泡が出てきますが、ドリッパーの縁からこの泡が溢れてサーバーに落ちない程度に、継続してゆっくり少しずつお湯を注いでいきます。
泡は雑味を含んでおり、縁から溢れさせてサーバーへ落としてしまうと、コーヒーに雑味が入る原因になります。
また、お湯を注ぐペースが遅すぎて、ドリッパー内のお湯が全て落ち切ってしまうと、こちらも雑味の原因になります。
常に湯面をドリッパーの真ん中くらいで保つように、泡のドームを崩さないようにお湯を注いでいくとうまく抽出できます。
杯数分のコーヒーがサーバーに溜まったら、ドリッパー内の泡とお湯が全て落ちきる前にサーバーからドリッパーを外します。
撹拌しカップへ


サーバー内の抽出されたコーヒーを、スプーン等で撹拌してからカップに注ぎます。
サーバー内に溜まったコーヒーの濃度を、均一にする目的があります。
抽出されたばかりのサーバー内のコーヒーは、底のほうが濃く上のほうが薄くなる傾向があるので、混ぜて均一にします。
そして、カップを温めるために入れていたお湯を捨て、温まったカップにコーヒーを注ぎます。
カップが2つ以上ある場合は、各カップに少しずつ注ぐことで、より均一になるようにします。