このような疑問に、プロボックス・サクシード歴11年目の筆者がお答えします。
サクシードのサーモスタットを交換しました
筆者が仕事とプライベートの両方で使用している後期型サクシードの、サーモスタットをトヨタ純正の新品に交換しました。
サーモスタットは、エンジンの冷却系統でかなり重要な役割を担っており、筆者のサクシードは新車時からサーモスタットを交換していない可能性があった為、今回交換することにしました。
サーモスタットの部品代は、トヨタ純正の新品ガスケット付きで約2000円でした。
車に何か異常があった訳ではなく、完全に壊れる前の予防整備としてサーモスタットを交換しましたが、なぜサーモスタットを定期的に交換する必要があるのか、疑問に思う方もおられると思います。
次からは、サーモスタットを早めに交換したほうがいい理由や、交換後の効果について解説していきます。
サーモスタット交換の理由
ここでは、筆者がサーモスタットを予防整備で早めに交換した理由について解説します。
サーモスタットは部品自体が小さく、部品代もそれほど高くないですが、エンジンの冷却系統の中でもかなり重要な役割を担っています。
サーモスタットは冷却経路の中に存在する弁で、冷間時は弁を閉じてエンジンの中だけで冷却水を循環させることで暖機を促進し、水温が上がってくると弁を開いてラジエターへ冷却水を流すことでオーバーヒートを防ぐ役割を担っています。
その為、万一サーモスタットに不具合が出た場合、オーバーヒートやオーバークール(過冷却)など、エンジンにとって危険な状況や、燃費にとって好ましくない状況が発生する可能性があります。
筆者は、以前に乗っていた前期型サクシードでも、中古車で購入してすぐに予防整備でサーモスタットをはじめ冷却系統の部品を純正新品に交換しました。
サーモスタットは、劣化してくると弁が開閉する反応速度自体が落ちてくる傾向にあり、早めに交換することで暖機運転の早期完了とオーバーヒートの予防になります。
また、開閉の反応速度以外にも、弁が途中で固着してしまうこともあり、閉じた状態で固着するとオーバーヒートの原因になり、開いた状態で固着してしまうと常にラジエターに冷却水が循環することになるので、冬場はオーバークールが発生しやすくなり、暖房が効きにくくなったり、燃費にも悪影響が出てきます。
サーモスタット交換の手順






















ここでは、後期型サクシード(プロボックス)のサーモスタットの交換手順を、写真付きでご紹介します。
今回の交換作業は、筆者がサクシードを購入したお店に作業をお願いしました。
後期型サクシード(プロボックス)の場合、ロアホースのエンジン側にサーモスタットハウジングがあり、その固定ボルト2本を外すことでサーモスタットハウジングが外れ、サーモスタットの交換が可能となります。
ロアホースを一旦外す必要がある為、冷却水は排出されてしまいます。
冷却水は純正でスーパーロングライフクーラントが採用されていますが、再利用するか交換するかの選択が必要です。
サーモスタット交換の効果
ここでは、サーモスタット交換後に筆者が感じた具体的な効果をご紹介します。
取り外した古いサーモスタットは、若干の錆はありましたが固着等はありませんでした。
エンジンを掛けて走り出してしばらくすると、サーモスタットを交換する前との違いが分かりました。
サーモスタット交換前と比べて、低水温ランプが消えるのが早くなりました。
後期型サクシード(プロボックス)は、エンジンの水温がある程度上がるまでは、スピードメーター内で水色の低水温ランプが点灯し、それが消えると暖機運転完了の目安となります。
サーモスタットを新品に交換してからは、その低水温ランプの消えるタイミングが以前と比べて早くなり、暖機運転に要する時間が短くなりました。
エンジンが早く適温に暖まる事は、エンジンにとっても良い事ですし、冷えている間は燃料も多く消費することになるので、燃費面でも有利になります。
また、サーモスタットを交換したのが1月の寒い時期だったこともあり、今までよりも早くエアコンの暖房から暖かい風が出てくる事が何よりも嬉しかったです。
サクシードのクーラントを交換しました
サーモスタットの交換を行ったことで、冷却水が排出されてしまったので、ついでにクーラントの交換も行いました。
サーモスタットを交換する時には、どうしても冷却水が抜けてしまうので、ついでに冷却水を交換したという訳です。
今回は、後期型サクシード(プロボックス)が純正で採用しているスーパーロングライフクーラントから、普通のロングライフクーラントへ交換しました。
後期型サクシード(プロボックス)は、新車時にスーパーロングライフクーラントが充填されています。
スーパーロングライフクーラントは、超長寿命タイプの冷却水で、使用環境にもよりますが7年10万キロ交換不要という寿命の長さを誇り、冷却効率も高いのが特徴です。
スーパーロングライフクーラントが標準の車に、普通のロングライフクーラントを入れて大丈夫か?というご意見があると思いますが、その点は後ほど解説します。
クーラント交換の理由
ここでは、クーラントを交換した理由について説明します。
まず、中古車で購入した筆者の後期型サクシードはクーラントの交換履歴が不明で、もし新車時から交換していないとすると、スーパーロングライフクーラントが標準で入っているとはいえ、寿命を迎えていることが考えられました。
また、サーモスタット交換時にはクーラントがどうしても出てきてしまうので、クーラントを再利用するにしてもエア抜きなどの作業が必要になり、2度手間にならないように、新しいクーラントに交換することにしました。
たとえスーパーロングライフクーラントでも万能ではなく、ディーラーでは車検ごとに防錆性能や消泡性能を復活させる添加剤の使用を勧めるなどしており、やはり性能は緩やかにせよ落ちてくるのだと思われます。
さらに、劣化したクーラントを使用し続けていると、エンジンの補器類であるウォーターポンプのベアリングやシールにもダメージが及ぶ可能性があることから、早めの交換をしました。
クーラント交換の手順




ここでは、実際に後期型サクシード(プロボックス)のクーラントを交換した際の手順について、写真付きでご紹介します。
クーラントの交換は、ただ抜いて入れれば良いというものではなく、エア抜きという作業が大変重要になってきます。
もし、冷却経路内に空気が残ったままになってしまうと、空気はクーラントよりも熱を吸収する能力が低いので、その部分だけ熱くなりヒートスポットとなってしまいます。
サクシードやプロボックスはフロントエンジンなので、冷却水の経路も短く、エアが抜けやすい車種ではあります。
これがリアエンジンの車でフロントにラジエターがあると、リアからフロントまでの冷却経路が長くなり、エアが抜けにくくなります。
スーパーロングライフクーラントからロングライフクーラントに交換することについて
元々標準でスーパーロングライフクーラントが充填されている車に、普通のロングライフクーラントを使用しても問題ないのかということがあると思います。
これはお店のメカニックの方に聞いた話しなのですが、スーパーロングライフクーラントは長寿命な反面、その成分も強いのでホース類やウォーターポンプからの漏れやにじみが発生しやすく、特に古い車に新品のスーパーロングライフクーラントを入れた場合は、より一層その傾向が強くなるとのことでした。
また、スーパーロングライフクーラントとロングライフクーラントでは主成分が異なり、スーパーロングライフクーラントはプロビレングリコールという、毒性の低いものが使われており、ロングライフクーラントはエチレングリコールという発ガン性の危険も指摘されている物質が使われています。
最近の新車でスーパーロングライフクーラントが使用されている背景には、こうした環境に与える負荷も考慮している面もあるのだと思います。
スーパーロングライフクーラントの成分であるプロビレングリコールは、吸熱性・放熱性に優れ、暖まりやすく冷めやすい性質を持っています。
レース用のクーラントでも採用される成分ですので、その点ではスーパーロングライフクーラントに優位性があるようです。
筆者としては、冷却性能よりも先に述べた水漏れのリスクを重視し、今回はロングライフクーラントでの交換としました。
これからは、毎年行う車検2回ごとにロングライフクーラントで交換していこうと考えています。

