このような疑問に、愛車遍歴7台、サーキットの耐久レースに出走経験もある筆者がお答えします。
EGRの仕組み

EGRとは、排気ガスを吸気に混ぜてポンピングロスを低減し、燃費を向上させる技術です。
EGRとは、エキゾースト・ガス・リサキュレーションの略で、日本語に訳すと排気再循環となります。
近年のほとんどの車には、燃費性能の向上や各種規制に対応するために、EGRという機構が装着されています。
仕組みを簡単に解説すると、エンジンが吸う空気に排気ガスを混ぜ、酸素濃度を薄くすることで燃料噴射量を少なくし、その分スロットルを大きく開くことでポンピングロスを低減する効果のある機構です。
ポンピングロスは、熱損失や駆動損失などエンジン全体の損失の中でも、30%近くを占めるとても大きな損失です。
EGRの効果

EGRの効果のひとつに、ポンピングロスの低減があることは先に述べましたが、ポンピングロスとはエンジンの吸気ロスの事です。
エンジンには圧縮があるので、スロットルが閉じている状態では回転するのに抵抗が発生します。これがいわゆるポンピングロスです。
スロットルが全開ではなく閉じていることで、エンジンが空気を吸う際の抵抗になり、そこに大きなロスが生まれます。
極端な例えかも知れませんが、アクセル全開のフル加速時はポンピングロスがほとんど無いことになります。
逆にスロットルが全閉の場合は、エンジンブレーキがかかり減速しますが、これはポンピングロスの抵抗を利用したブレーキと言えます。
EGRのデメリット
吸気に排気ガスを混ぜるEGRのデメリットは、排気ガスに含まれる煤などが吸気バルブの傘に付着し、汚れやすくなることです。
吸気バルブの傘が汚れると、混合気のスワール(横渦)やタンブル(縦渦)に悪影響を与え、燃料の霧化も阻害するので燃焼効率が悪化します。
最悪の場合は、吸気バルブとバルブシートとの間にカーボンや煤などの汚れが嚙み込み、圧縮圧力の低下などを引き起こす可能性もあります。
特に、燃焼室内に直接インジェクターで燃料を噴射する形式の直噴エンジンでは、吸気ポートにインジェクターがあるポート噴射のエンジンと比べてより吸気バルブが汚れやすいと言えます。
その理由は、インジェクターから噴射されるガソリンには洗浄作用があり、ポート噴射の場合は吸気バルブの傘にガソリンが直接かかるので汚れが洗浄されやすく、直噴の場合はその作用が無いためです。

