このような疑問に、愛車遍歴7台、サーキットで耐久レースに出走経験もある筆者がお答えします。
アルミホイールのほうが絶対に軽い訳ではありません

同じサイズのスチールホイールとアルミホイールの重量を比べた時、デザインや仕様によっては同じかアルミホイールのほうが重たい場合もあります。
アルミホイールのほうが重たくなる場合もあるのは、アルミはスチールと比較して強度が低いので肉厚にする必要がある、サスペンションのセッティングの関係であえて重くしている、デザインの関係で重たくなっている、などが主な理由です。
アルミとスチールを比較すると、アルミの比重はスチールの3分の1なので、重量は軽くなりますが、その反面強度は3分の2なので、スチールと同じ強度を出そうとすると肉厚にする必要があります。
また、同じ車種でもグレードによってスチールホイール採用車とアルミホイール採用車が混在する場合は、サスペンションセッティングの関係で、重たいスチールホイールの重量に合わせて、あえて重たい純正アルミホイールを採用することがあります。
サスペンションを構成する部品がグレード間で共通の場合、ホイールの重量だけが変わってしまうと、セッティングのバランスが崩れてしまうためです。
スチールホイールのコスパと強度は大きなメリット

スチールホイールの最大のメリットは、コストパフォーマンスの高さと強度の高さです。
ローコストなスチールホイールは、価格を重視する軽自動車・コンパクトカー・商用車などを中心に安定した需要があり、強度の高いスチールホイールは、トラックやバスなどの重量がある車や、救急車や消防車などの緊急車両に積極的に採用されている例があります。
アルミとスチールでは強度の違いもありますが、もう1つ大きな違いとして靭性(粘り強さ)があり、スチールは靭性が高いので、ホイールにした場合は外部からの衝撃に対して非常に割れにくくなるという特性があります。
例えば、ホイールに大きな衝撃が加わった時、アルミホイールではヒビが入って割れてしまうようなケースでも、スチールホイールは曲がるだけで済む可能性があり、ホイールが割れてしまうと即走行不可能となる場合が多いですが、曲がっただけであればなんとか走行できる可能性が残されています。
強度と靭性(粘り強さ)を併せ持ったスチールホイールは、極端な例ではタイヤが破裂してホイールだけになってしまってもまだ走行できる可能性が残されており、このような理由から、救急車や消防車などの緊急車両では、あえてアルミホイールではなくスチールホイールが採用されているという事情があります。
デザインの優れたスチールホイールもある
スチールホイールといえば、穴がたくさん開いた無骨な飾り気のないデザインを連想される方も多いと思いますが、最近ではデザイン面でも優れたスチールホイールが純正採用される例があります。
アルミホイールのようなデザインのスチールホイールも一部には存在します。
例えば、スズキのジムニーやハスラーの純正ホイールは、塗装を施しデザイン的にもおしゃれなスチールホイールが採用されています。
スチールホイールと言えば、あの丸い穴がたくさん空いた質素なデザインのイメージが強いかもしれませんが、最近では見た目がアルミホイールに近いようなおしゃれなスチールホイールも存在します。
また、最近ではスチールホイールをおしゃれにドレスアップするために、トリムリングやリムガードなどのアイテムも販売されており、増々スチールホイールが見直されているような風潮があります。
技術が進んだ現在でもなお、一部の車種で純正でスチールホイールが採用されているのは、アルミホイールには無い独自のメリットがあるからだと思います。

